「疾病利得」・・・治りたくない心

「疾病利得」・・・(しっぺいりとく)と読みます。
医療関係者なら、周知のことです。
病気は、患者本人や家族にとって困ったことで誰でも早く治したいはず、と思えますが、
実は病気によって利益を得ている場合もあって、治したいと思いながらも
心の奥底では、治りたくないという状態なのです。


利益というと、お金と思われるかもしれませんが、そういう単純なことばかりではありません。
メリット・デメリットといったほうがわかりやすいかもしれません。
例えば、子供がお腹が痛くなると親に優しくしてもらえた、嫌いな人参を食べなくてもいい、などで
本当にお腹が痛くなってしまうこともあります。
これのやっかいなところは、本人もその深層心理に気付いていないということです。
お腹が痛いのはもちろん嫌だけど、そのデメリットよりも、
親に優しくされるメリットを取るのです。
これは、孤独な老人が病気になると親切にしてもらえた、注目してもらえた、ということで、
痛みに苦しんでも、孤独より病気のほうがましという心理です。
もちろん、これは仮病ではなく、本当に病気になってしまうのです。
癌の場合も、当てはまる方がいるかもしれません。
休みなく働いていた人が告知されたとたん、ホッとしたという話はよく聞きます。
無意識のうちに、休むには病気になるしかないなぁと思っていたのかもしれません。
無意識(潜在意識)と顕在意識が喧嘩をすれば、必ず無意識が勝ちます。
心の奥で願ったことが、ある日時限爆弾が爆発するように叶ってしまうのです。
強烈に思わなくても、日々少しずつ思っていたら量が質に変化し、積み重なって
力を持ってしまうのです。
潜在意識と顕在意識に不一致があると、治療が上手くいかないように感じます。
病を治したいと「本当に」思っているのか、一度、潜在意識の中を探ってみませんか?
「知人は○○療法で治ったのに、同じことをやった私は治らない!なんでなの?」という方がいます。
治った方は潜在意識も顕在意識も「治る!」100%だったのかもしれません。
治らなかった方は、その治療法があっていなかったのかもしれませんし、
本当は、まだ治りたくなかったのかもしれません。
そんな人がいるわけないだろう、と叱られそうですが、いるんです。
治療法をあれこれやっているほうが楽しくて(生き生きして)、
治ってしまったら、また仕事仕事の日々、無気力な日々に戻ってしまう、、、。
それならば、まだ治らないで、「治らないー!」と苦しんでいるほうがエキサイティングだ、と。
「治らないメリット」があるんです。
それを、後生大事に握りしめているのかもしれません。
それを握りしめている限り、どんな素晴らしい治療法も効果が薄いかもしれません。
病気でいることで、家族の関係・バランスがとれてきたのに、
病気が治ったら、また壊れてしまう不安があるという方もいらっしゃいました。
「病気のメリット」を手放すには、病気で得ていたメリットを「健全な形」で得ることです。
それを、催眠療法で探ってみるのも一つの方法です。

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この記事を書いた人

福井てるこ

20代はプロの舞台俳優として全国を回り、33歳から鍼灸の道に入る。