弱い人は感謝できない

東京・杉並の鍼灸院、てるこの部屋です。

心理学者の河合隼雄先生のエッセイに「強い者だけが感謝することができる」というものがあります。以下の青い文字の部分は抜粋させて頂いたものです。


『感謝できる人は強い人です』

『他人に心から感謝する、ということは大変なことである。まず、そのためには、自分が他人から何らかの援助や恩義を受けた事実を認めねばならない。弱い人はそもそもそのような事実の把握ができないのである。それにつぎつぎと襲ってくる不幸や災難に対処してゆかねばならないので、それに追われていて他人のことなど考える余裕がないのである。』

『あるいは、あまりにも理不尽な不幸や苦しみを体験するので、自分に対してある程度の助けがあって当然とも思えてくる。実際、気の毒な人たちは、自分の責任ではないのに不幸に陥らされるので、そのようなことを生ぜしめる「世界」から、何らかの助けがあるとしても、別に感謝すべきこととも思われない。それどころか、自分の不幸に比べると、それほどの助けでは少なすぎるという不満さえ感じるだろう。』

『ところで、誰か他人から恩義を受けたとか、援助を受けたということを認めた場合、下手をすると、その人の方が自分より「上」であり、自分がその「下」であると認めなければいけない、と思う人がある。別にそこには上下の関係などはなく、援助したりされたりして人間は生きているのだから、別にそれを有り難いと感じても上下関係ではないのだが、そのように受けとってしまう人がある。それが嫌だから、何のかんのと理由をつけて感謝しない人もある。』

ふう~っ、本当に感謝って難しいですね。単に「ありがとう」という言葉を連発したり、高級な贈り物をもっていけばいいってものではないですしね(←そういうのって、感謝の気持ちが薄いのはバレバレですしね~(笑)。真の感謝って一生の課題だと思います。

河井先生は感謝できない人は事実の把握ができてないと仰っていますが、自分のことばっかり考えていて、鈍感なのかもしれません。気づき力というか、自己中心的でない俯瞰したものの見方とか、そういったものが少ないのでしょう。また、感謝ができるというのは、そのことを心に抱いてずっと持っていかなければならないので、それを保持し続ける強さがあるとも仰っています。河井先生も書いておられますが、クライアントというものは感謝が出来るようになってくると良くなってくるのです(客観的になってきて、他人に気を配る余裕が出てきた証拠ですからね)。

河井先生も難しいと仰っているんだから間違いなく感謝は難しいんです。ひょっとしたら、目に見えない「感謝筋」というものがあるのかもしれません(笑)それを毎日毎日鍛えていくしかないのでしょう。それが鍛えられて発達してくると、誰が見ても「ああ、美しい!」という在り方(真の感謝が身に付いた人)なんでしょうね。私もコツコツ頑張りますぞ~。

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この記事を書いた人

福井てるこ

20代はプロの舞台俳優として全国を回り、33歳から鍼灸の道に入る。