言葉はすべて暗示です

『その一語一語、その言葉のすべてが
人生に直接的に影響する暗示となる。』


これは、中村天風の言葉です。
明治生まれの天風は、文武両道の豪傑物で
高校生の時には、正当防衛ですが、
他校の柔道部生徒を刺殺してしまいます。
その後、軍事探偵となり、世界で活躍、
「人斬り天風」とも呼ばれていました。
しかし、急速に症状が悪化するタイプの結核になり、
これまた、世界中を病気治しのために旅するのです。
しかし、望むような答えはどこにもなく、
最後の船の上で、インドのヨガの大聖人カリアッパ師と
運命的な出逢いを果たすのです。
こうして、カリアッパ師についていき、
ヒマラヤのカンチェンジュンガの麓で
2年半の修行をして、悟りを開いたのです。
こう書くと、簡単なようですが、
禅問答のようなカリアッパ師との
やり取りに、結核の天風は四苦八苦します。
調子はどうだ?と尋ねるカリアッパ師に
天風は、「いいわけがない」と答えます。
しかし、カリアッパ師は、
「体のことを聞いているんじゃない。
心のことを聞いているんだ。いくら体が
病気だからって、心まで暗くする必要はあるまい。」
というようなことを繰り返します。
死にかけているから、心も辛くて当然だと
思いこんでいた天風。
しかし、病気は心も辛くするという先入観を捨て、
心を明るくすることも出来るのです。
とても印象的な場面です。
癌になったから、辛くて当然、不幸なんだと
思わなくてもいいのです(思ってもいいのです)。
自分に得になるように思えばいいのです。
そして、言葉も自覚的に発しましょう。
無理やり積極的すぎなくてもいいのです。
気張らなくてもいいのです。
「あと1カ月で完治」なんて、自分でも無理だと
思うことを言わなくてもいいのです。
「少しずつ、良くなっているよ。」
「良くなっていく感じがするよ。」
無理のない言葉でいいのです。
積極的な言葉が向いていたら、それを使いましょう。
言葉は、言霊だそうです。
「人生は、会話である。」ともいいます。
あなたは、どんな言葉を発していますか?
発していない、自分が自分に言っている
心の中の会話も大事ですよ。
明るい言葉を、
柔らかい言葉を、
軽い言葉を、
自分と、周りにあげましょう。

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この記事を書いた人

福井てるこ

20代はプロの舞台俳優として全国を回り、33歳から鍼灸の道に入る。