叶う願いと叶わぬ願い

都会育ちなのに、自然の匂いがする患者さんがいらっしゃいます。
乳がんになってから、自分を大切にするようになったとおっしゃいます。
もちろん、体だけでなく、心も大事にされています。


その方が、近所の畑を見たとたん、「ここに入ってみたい!」と思ったそうです。
でも、誰かの土地です。勝手に入るわけにはいきません。
しばらくしてその土地は、仕事関係のお客様の畑ということがわかりました。
なんと!なんと!
「いいよ、いいよ、勝手に入って、野菜も持ってっちゃって!」
ということになりました。
「宇宙に願いが届いたんですね~」とおっしゃっていました。
こんなふうにするすると願いが叶えば楽しいですね。
小さな願いだったから叶ったのでしょうか?
大きすぎる願いは、叶えるのが難しいのでしょうか?
私は、何かを願う時、不安や恐怖があると叶わないような気がしています。
先の方は「この畑に入れたらいいな。」とふんわり願って、手放したのではないかと
思います。きっと「ねばならぬ」がなかったのですね。
これが、「何が何でもこの畑に入る、入れなきゃ嫌だー!」という思いでは、
宇宙は聞いてくれなかったのではないでしょうか?
「不調和」ということですね。
「こうなったら良いけど、こうならなくても良い。」という態度が
「調和」を作って願いを叶えてくれるような気がします。
この結果だけ欲しいという執着した希望は、宇宙の法則に反するような気がします。
真剣すぎるというか、執着し過ぎは、かえって遠くなるようです。
「願い」は、願ったら勝手に遊ばせておくといいような気がします。
「願い」の放牧というか、好き勝手にさせて自分は昼寝をしている感じです。
いろんな方から聞かれます。
「ご主人の治療はされるんですか?」
やる治療とやらない治療があります。
何が何でも治さなきゃという肩に力が入った治療は、あまり効果がありません。
そこに不安や怖れがあるからです。
よく身内の治療は難しいと言われるゆえんです。
家族は自分の一部みたいなものですから、エゴが強くなってしまうのです。
ですから、信頼できるプロにお任せしてしまうことも多いです。
がんの方の食事作りもそうです。
何が何でも治さなきゃと、力を込めて一生懸命作る心の中に
不安や怖れがあると、いくら良い食材を使ってもプラマイゼロになってしまうかも。
末期癌から昏睡状態に陥り、臨死体験をして完治してしまったアニータさんは、
動機が大切だとおっしゃっていました。
・愛から行うか。
・怖れから行うか。
だから、ご家族の方も、悲壮感漂わせて必死にやり過ぎないでくださいね。
例えば、治療法を選ぶ時、
愛や喜び、楽しさや信頼、やってみたいという好奇心から選ぶか、
それをやらないと死んでしまうかもという不安や恐怖から選ぶか。
同じ治療法をしても、結果は人によって違ってきてしまうのです。
何かを願う時、選ぶ時、「そこに怖れがあるかどうか」を
観察してみるのもいいかもしれませんね。

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この記事を書いた人

福井てるこ

20代はプロの舞台俳優として全国を回り、33歳から鍼灸の道に入る。