トイレの中の平穏

深~い変容のお手伝い!
潜在意識とからだ大好き福井てるこです。

 

あれは2012年、夫が悪性脳腫瘍と診断され手術し3か月の入院をしました(耳にタコが出来ている方はごめんなさいね)。私は毎日泣いていました。朝、起きた瞬間のその一瞬だけ「無」なのですが、すぐさま夫がもう元の夫には戻れない(手術で高次脳機能障害になり、認知症のようになってしまったのです。性格も変わってしまい、妙にしつこくなりました。半盲にもなりうまく歩けなくなりました。もちろん自営でやっていた整骨院も廃業です。)ことを思い出し、絶望に陥るということを繰り返していました。朝が本当に辛かった~!毎朝、本当に胸がぎゅっと締め付けられるような感じでした。

仕事をしている時は忘れられるのですが、合い間には思い出し泣いていました。哀れでみじめな気分をどれだけ味わったことでしょう。味わっても味わってもこれで終わりということがないことも知りました。青空を見ても恨みがましい気持ちが湧いてくるだけでした。(この先ずっと、私が幸せな気分を味わうことなんて絶対にない!青空のバカ野郎~っ!!)そんな毎日を過ごしていました。

 

 

ところがある日、急にトイレに行きたくなり慌てて駆け込みました。ふぅ~っ間に合った・・・その時気づいてビックリしたのです。(あれ?絶望も悲しみも苦しみも・・・何もない!?私は悲しくて苦しくて絶望した人じゃなかったの?)私は、夫が悪性脳腫瘍になったのだから人生が苦しくなったと思っていました。実際に苦しみがあると思い込んでいました。だから、自分は苦しいのだと。しかし、トイレに間に合わないかも~と大慌てで駆け込んだ時、私には何もなかったのです。なんだか可笑しくなってきました。苦しみは私の頭の中にしかなかったのです。苦しみは私のイメージであり、解釈だったのです。私はトイレの中でとてつもない平穏を感じていたのです(単に間に合ったからではないですよ~)。この時の私の新鮮な驚きをご理解いただけるでしょうか?

今ここ(使い古された言い方ですが(笑)にあれば、本当に今ここにあれば、そこには静けさだけがあります。どこにも向かわなければ、何にも抵抗しなければ、今自分のいる場所が平穏そのものです。誰もがすでに持っているそれに気づくには・・・出来るだけトイレを我慢してもらえばいいかしら~(笑)

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この記事を書いた人

福井てるこ

20代はプロの舞台俳優として全国を回り、33歳から鍼灸の道に入る。