昔、整形外科のリハビリ室で働いていた時、あるご高齢の患者様が目を丸くしておっしゃいました。
「私の耳に石があるんだってさ!」
どうやら、めまいの症状で受診されたらしく、院長に耳石が原因と言われて驚いたそうです。その口調から石ころを思い浮かべていると察し私は「みんなあるんですよ~。小さいのが」と笑いをこらえながらお伝えした記憶があります。
季節の変わり目はめまいに悩まされる方も多く「めまい」について調べてみました。
めまいには大きく分けて2つあります。
①回転性のめまい
(平衡感覚の障害、急激に起こる)
②非回転性のめまい
(慢性的に起こりやすい)
めまいというのは・・・
私たちには空間における自分の身体の状態を認識する力(見当識)というものがあります。目を閉じていても地面に対して頭や手足がどんな位置にあるのかだいたいわかります。この見当識に障害が起こって、目がまわったりクラクラしたりするのがめまいというわけです。
3つの情報で身体の状態を理解する
①平衡感覚
耳の奥にある「三半規管」で認識する。これは内部が水で満たされたパイプで前後・左右・上下の動きを感知する。頭が動くと必ず水が動く。この水の動きを神経がキャッチし、脳に伝える。
②手足の筋肉と関節の状態
重力の変化は必ずどこかの筋肉を緊張させる。伸びているか緩んでいるか、曲がっているか等常時、脳に伝えられている。
③視覚
周囲の動いているものの速さや方向が視覚情報として脳に伝えられる。
回転性のめまい
平衡感覚は三半規管から平衡神経を通して脳に伝えられるが、平衡神経に障害が起こると回転性のめまいを引き起こす。三半規管の水の動きの情報が脳のネットワークの中で処理されるが、水の動きが乱れたり、間違って伝えられると筋肉や関節、視覚情報とのズレが生じ、脳が情報を処理出来なくなってめまいが起こる。
回転性のめまいの代表的なものに
①良性発作性頭位めまい症
これは普段はじっとしている耳石という石が動き出し、それによって水が動き出し、頭が動いていないのに動いているように感じて起こるめまい。朝など、慌てて起きようとすると目が回る。
②メニエール氏病
これは耳石が動くことではなく、三半規管内の水が増えることによって起こる。これは難聴も一緒に起こる。
③その他
風邪の後にめまいが続く「前庭神経炎」顔面神経麻痺と痛みも起こる「ハント症候群」
こんな時はすぐに病院へ!
急激に始まるめまいには、脳出血や脳梗塞が原因のこともあります。
・痺れ
・脱力感
・ろれつが回らない
などがあれば救急病院か脳神経外科へ!
非回転性のめまいの原因は様々
「ふらつき」や「よろめき」と表現される慢性のめまいの原因は様々あります。
・聴神経腫瘍
・髄膜種
・脊髄小脳変性症
などが原因のこともあります。めまいが続くようなら病院へ!
*民医連様の記事を参考にさせて頂きました
先日、回転性のめまいの方がいらしてOリングで検査すると、耳石が原因と出た方が一回で解消いたしました。お悩みの方は一度ご相談ください。