嫌なことが起こるのは何故?

杉並区西荻窪の治療院、てるこの部屋です。

私は30歳を過ぎてから鍼灸学校に入りました。
クラスは夜間部だったので社会人の方が多く、
平均年齢は35歳と高めでした。

確か、マッサージの授業の時でした。
先生がある指圧の名人のお話をされたのです。
すると同級生の一人(当時50歳の女性)が
「その名人の方を紹介してくださ~い!」と
明るく声を上げたのです。

まぁ先生の不機嫌になったことと言ったら。
「〇〇さん、それはね…」と、口ごもりながら
先生は説明してくださいました。
自分の治療院にも来ないで自分をすっ飛ばして
名人先生を紹介してくれってことは
あなたは相当失礼なことを言ってるんですよと
怒りをこらえながらおっしゃったのです。


治療の世界のこういうことには
気を付けなくっちゃと強く肝に銘じました。
しかしそれでも私もどこかでこういうことを
やってきたかもしれません。
たまたまお相手の方が顔にも出さずに
紹介してくださったとかがあったかも。

さて・・・
こういうことは気を付けましょうねと
いう話だけではないんです。

私は感度のいいアンテナを持っているからか
いろいろ面白い方と知り合いです。
それで、紹介してくださいと頼まれる機会が
多いほうだと思うのですが、
昨年、紹介の依頼でかなり感情的になった
ことがありました。

相手の方の申し訳なさそうなお話の展開に
さらに苛立ちました。
その時は、鍼灸学校の時のことを思い出し
紹介ってするのもされるのも難しいねと
思っておさめたつもりになっていました。

しかし、何か月もたった今
自分は悲しかったんだとやっと気づきました。
表面上は礼儀を知らない方に対して
怒る理由が明確なので怒りまくりましたが
それだけなら今もチクッとするわけがないんです。

(ああ、自分の治療は選ばれないんだ)
(やっぱり、自分はダメなんだ)
(やっぱり、やっぱり、やっぱり・・・)

言葉にするとそんなところでしょうか。


怒りの下には悲しみや無力感がありました。
あまりにも辛すぎて、身体の奥深くに
押し込めていたので気づかなかったのです。
(もちろん自分を抱きしめ癒しました…)

私に他の治療家の紹介を請うてきた方は
ある意味、私を助け出しに来てくれたとも言えます。

よくわからないって?
ええ、よくわからないでしょうね(笑)

今現在の何か楽しくはない関係のお相手は
遠い昔の思い込みや感情を解放するために
出逢っている
とも言えるのです。

亡き夫が言っていました。
「僕が重い病気になったのは、
君の子どもの頃の怒りや悲しみを解放するため
君の本当の優しさを引き出すため、だってさ」
亡くなってからもこんなメッセージが来ました。
「君が悲しいとか淋しいのは僕がいなくなった
からじゃないんだ。君が元々持っていた
悲しさや淋しさ
なんだ。僕にくっつけないで」

重い感情は解放されるのを待っています
それは何かの問題や対人関係の葛藤によって
解放されていくこともあるのです。
ということは…どんな嫌な出来事も
人生が軽く明るくなっていくために起こるとも
考えられないでしょうか。

怒りの下には
悲しみがあるかもしれません
無力感があるかもしれません
それを感じたくないから
怒り続けているのかもしれません!


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この記事を書いた人

福井てるこ

20代はプロの舞台俳優として全国を回り、33歳から鍼灸の道に入る。