ただ存在している喜び

東京・杉並で美座療法をしている施術室、てるこの部屋です。

先日、夫の夢を見ました。舞台はたぶんヨーロッパです。私たちはそこでも夫婦でした。ある日何人かで山に行き、どういうわけかあるところで私だけ先に帰ってきました。ところがいくら待っても夫は帰ってきません。山で遭難したのでした。

夫とあの場所で別れてしまったことを激しく後悔し、私は慟哭し続けました。夢から覚め、あれが実際にあった過去世だと悟りました。私の中にまだ潜んでいた悲しみや痛みを夢を通して解放したのでした。

12年前、夫の悪性脳腫瘍が発覚するきっかけも白馬槍でした。夫は赤ちゃんの時の事故が元で手足に麻痺の障がいがありましたが、それでも山に登り続けたのは何かやり残した思いがあったからなのでしょうか…。

その翌日のことです。いつものように朝のお勤めをしていると、ふいに胸がいっぱいになりました。それはもう、何とも名付けようのない思いでした。いつもなら…高次の皆様に施術をして頂いていることやご先祖様への感謝をさせて頂いているのですが、その日は違いました。

あえて言葉にするなら…「ただ存在している喜び」とでも言いましょうか。感謝する対象が何も見当たらないのです。主体と客体がないのです。無形の世界からこの有形の世界に出現させて頂いている?出現している?喜びとでも言いますか、それが稀有なことだったと一瞬にして理性ではない部分で腑に落ちたのです。

しばらく静かな涙を流し続けました。まるで、この世界の秘密を垣間見たようなひとときでした。

命のエネルギーが、今はわたしという「形」をとって個として存在していますが、いつか寿命が来たら形は無くなります。しかし、大きな命の輝きの中で永遠に生き続けるのです。その時までは「わたし」を楽しむつもりです (*^-^*)

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この記事を書いた人

福井てるこ

20代はプロの舞台俳優として全国を回り、33歳から鍼灸の道に入る。