避けるためにやるか?得るためにやるか?(動機の話)

東京・杉並で美座療法をしている施術室、てるこの部屋です。

私は鍼灸師ですが、催眠療法士でもあります。そして「言葉で病気をやめさせる心理技術」という特殊な手法も学んでいます。身体を施術する時、患者さんの心(無意識の思考パターン)にも着目しているんです。

LAB(ラブ)プロファイルというものがあります。NLP(神経言語プログラミング)の中の一つの手法です。言葉行動を分析し、思考パターンを把握するものです。LABプロファイルの LAB は、Language and Behavior の頭文字をとったもので、言葉(Language)行動(Behavior)の関係性を分析したものです。これを使って、患者さんの脳みそ(思考パターン)を理解しています。また、患者さんのモヤ~ンと感じている思いを言語化するのが大得意です(自分で言うのもなんですが、エナジーのソムリエと呼んでいます(笑)。無意識の思いを意識化していただくことによって、気づき→解放となるのです。

さて、思考パターンのプロファイリングにはたくさんのパターンがあります。その中でも病気や症状をやめて健康になる上で重要な【動機の方向性】のパターンをご紹介します。このプロファイリングパターンは【問題回避型】と【目的志向型】と言われています。

ガンの方を例にしてみましょう。病院などで一通りの治療を終えてこれからどういう生活を送っていくか、これは重要ですよね。AさんとBさんがいます。Aさんはウォーキングを今後日課にすると言います。Bさんもウォーキングを日課にすると言います。お二人とも行動は同じです。しかし、問題はその動機なんです。ここで私は問いかけます。「ウォーキングをすることはどうして大切なんですか?

Aさんは言います。「決まっているじゃないですか?ガンが再発しないためですよ!」Bさんも言います。「仲間とまた思いっきりバレーボールをやるためです!」

Aさんの回答はまったく普通です。きっと多くの方がこう回答されるかもしれません。しかし、これはLABプロファイル的に言えば、問題にフォーカスしている思考パターンなのです。もっと細かく言えば、このAさんの頭の中では常にガンをイメージし、それに打ち勝つような想像を繰り広げているのです。これは実は相当なエネルギーの浪費なんです。これを【問題回避型】と言い、何かを避けることに注力しているパターンです。

一方、Bさんの頭の中では仲間と生き生きとバレーボールを楽しんでいるイメージが浮かんでいます。脳は実際のことと想像の区別がつきません(スポーツの世界でもイメージトレーニングは当たり前ですね)。だから、Bさんは着々とバレーボールが出来る身体になりつつあります。これは最終的に欲しいゴールに意識が向いている目的志向型】と言います。

一見【問題回避型】はネガティブでマイナス思考、【目的志向型】はポジティブでプラス思考と見えますが、それぞれに長所短所があります。【目的志向型】はゴールにばかり目が向いていて、リスク回避が疎かになる危険があります。また【問題回避型】も目の前の問題解決に熱中し過ぎて、何を目指しているのかがわからなくなる場合もあります。

病気や症状をやめる上では【目的志向型】の思考パターンがいいでしょうね。今日のテーマをこれにしたのも、多くの患者さんが痛みや症状にあまりにもフォーカスし過ぎているなぁと感じたからなんです。ずっと痛みや症状を追っかけているんです。もちろん、そのために施術室にいらしていただいているので無理もないのですが。ただ治すんじゃなくて、得たい【目的】のほうをしっかり意識するとより早く結果が出ますよ~という話です。

そう言えば、私の最初の鍼灸の師匠は言葉の使い方も名人でした。寡黙な方でしたが、何気ない一言二言で患者さんをフワッと変えちゃうんです。帰る頃には患者さんはニッコニコになってしまう…ああ、あれは患者さんの思考パターンを変えていたんだなと今頃理解した次第です。

これは病気や症状をやめるだけじゃなく何にでも応用出来ますね。【失敗しないためにやるか】と【成功するためにやるか】あるいは【お金に困らないためにやるか】と【豊かに暮らすためにやるか】とか。問題回避型だと頭の中のイメージの抵抗を受けつつ頑張る感じだからしんどそうですね(*^_^*)

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この記事を書いた人

福井てるこ

20代はプロの舞台俳優として全国を回り、33歳から鍼灸の道に入る。