どうやら、夫と主治医の相性が悪いらしい。
私は診察に付いていくことにした。
二回目の診察で、МRIの画像から診断された。
「神経膠腫ですね~」
あまりにも、軽ーく言われてびっくりした。
死ぬってことじゃんか!!!
癌の告知ってやつを受けるのって、こんな気分なんだ、、、、、。
どこか客観的な自分に驚いた。
いや、客観的なのではない。信じられないのだ。
私たち夫婦に起こった、この10日あまりの出来事すべてが!
そのあと、手術で、目が見えなくなること、他人の顔色や気持ちが読めなくなること、、、
その他、怖いことをたくさん聞かされた。
なんだか、私は上の空だった。
病院近くのタリーズで、コーヒーを飲んだ。
夫は振るえていた。
「おしっこ!」
店員さんに、トイレの場所を聞いていた。完全にパニックで、幼児になっていた。
「申し訳ない、、、、申し訳ない」
振るえながら私に謝っていた。惨めとしか言いようがなかった。
人生半ばで、盲人になり、仕事も出来なくなり、死んでいく自分。
夫は、私に対して申し訳ないと謝り続けた。
これは、悪い夢なんじゃないか、、、、、私はずっとそう思っていた。