こんにちは、てるこの部屋です。
昨日のブログを読み返していたら
こんな寓話を思い出しました。
「ダイヤモンド泥棒の話」
この泥棒は、宝石店の集まる地域を張り込んではどんな客がどんなダイヤを買ったかを調べ、後でそのダイヤを客のポケットから盗み出すのです。
ある日泥棒は、ずっとずっと欲しかったダイヤをある有名な宝石商が買うのを目撃します。それはダイヤの中でも最も美しく、最も無垢で純粋なものでした。泥棒は興奮し、宝石商の後を追って列車の同じ客室に乗り込みます。
三日間にわたる列車の旅の間中、泥棒はなんとかして宝石商のポケットからダイヤを盗み出そうと試みます。ついにダイヤを見つけられないまま列車の旅が終点を迎えるときには、泥棒は激しく苛立っています。彼は非常に熟練した泥棒でありながら、その持てる技術のすべてをもってしても、この貴重な宝石を盗み出すことができなかったのです。宝石商が列車を降りると、泥棒はふたたび宝石商の後を追います。
そしてとうとうそれ以上我慢できなくなり、宝石商につかつかと歩み寄ってこう言います。「失礼ですが。私は屈指のダイヤモンド泥棒として知られた男です。あなたがあの素晴らしいダイヤを買うのを見たので、後を追って列車に乗り込んだのです。私は長年かけて培ってきた技術のすべてを使いましたが、あなたの宝石を見つけることはできませんでした。その秘密を知らずにはどうしてもいられません。お願いです、どうやって私からダイヤを隠したのか、教えてくれませんか?」
宝石商は答えます。「私は、私がダイヤモンドを買うのをお前がじっと見ていたのに気づき、おそらくお前はスリだろうと思った。そこでダイヤを、お前がいちばん探しそうにない場所に隠したのだ・・・つまり、お前のポケットの中に。」そう言うと、宝石商は泥棒のポケットに手を伸ばし、ダイヤモンドを取り出したのでした。
「ポケットの中のダイヤモンド」
ガンガジ 著 三木直子 訳