つい先日、患者さんと話をしていたら、共通の知人である松本東洋さんの話題になりました。
彼に一度でも会った人は松本さんとか東洋さんとは絶対呼びません。必ず「はるさん」と呼びます。伊豆高原の仙人と言われたはるさんは、あの有名な漫画家松本大洋氏の父でもあります。清掃の仕事をしたり、本を書いたり、ヒプノセラピー(催眠療法)を教えたり、鬱になったり、何もしないでいたり…。癌になった弟子にポンと500万円をあげちゃったり、自分は一文無しでも平気だったはるさん。一見するとルンペンみたい服装なんですが、実はコムデギャルソンだったりする、おしゃれさんでもありました。とにかく平和であったかい人でした。私の催眠療法の最初の師匠でもあります。ある日突然の事故で肉体を離れていかれました。まぁ、あっちでもきっと楽しく暮らしていることでしょう。
はるさんには名言がたくさんあります。その一つに「素直さは最短距離を行く」というのがあったそうです。たぶん、どんな仕事でも素直な人がいちばん伸びるし、いちばん早く目的地に着けるのではないでしょうか?
私は美座療法を始める前、あるエネルギーワークを教えていました。そこでも素直な人はバンバン結果を出していました。例えば、問いかけやクリアリングのコツのコツをお教えすると、親戚から突然500万円頂いたとか、お客様から50万円頂いたとか、内心(こいつ、アホちゃうか?)というくらい素直な方が奇跡を起こしていました。もちろんお金に限らず、新たな人生の扉さえもどんどん開いていったのです。
(頑張らなければ結果が出ない)と自我はいつも焦っていて、表面的なことばかり目がいっています。しかし、本当のところは(見えない部分である意識・在り方を整える)しかないんだろうなと思います(何か行動しちゃう方が顕在意識的には楽ですが、潜在意識に溜め込まれた自分の古い在り方をじっくり意識化していくのはなかなか大変で、ちょっとコツが要ります。それを当院ではやっております~)。その意識・在り方がカチンカチンに固まっているほど上手くいかず、ふわっと柔軟性がある人ほど早く変化していくのです。だって鉄は形を変えるのは大変だけど、お豆腐だったら瞬時にどんな形にもなりますもんね。
先日、富山で100人以上の美座療法の先生方が会する大研修がありました。私も始めてから2年以上経ちますが、見ているとどんどん上手くなっていかれる先生はやっぱりとても気持ちが素直なんです。美座療法は施術等未経験者でも学ぶことが出来ます。疑うほどの情報を持っていない素人の方が素直にやれるのはわかるのですが、この道何十年の大ベテランの先生なのに、スッと素直な方がいらっしゃるのです。例えばの話、「10数えるといいよ~」と言われたら即(い~ち、にい~、さ~ん、しぃ~…)てな具合に言われたまんまされるのです。知識もプライドも捨てて、四の五の言わずに言われた通りやるかどうかなんです。きっと本当の素直さって強さなんじゃないかな~。ある方が仰っていましたが「素直さとは行動に移すスピードの早さ」だそうです。どの世界でも成功される方ってそういう方ですね。
「素直」を辞書で引くと、心や態度がひねくれておらず、まっすぐなこと。心が純真さを失っていないこと。癖がないこと。などと出てきます。悲しいかな、こういうことはなろうと思ってなれるものではありません。もちろん素直なふりをしたり、ペコペコと媚びへつらうこととも違います。
私なんかは素直には程遠く、強情で頑固だったのでかなり遠回りしちゃいました。「私が!私が!」の「我」が強かったんです。だからケチョンケチョンに失敗する必要があったのかもしれません。「私は知っている、わかっている」という態度では、空きスペースがないんです。新たな情報やエネルギーが入る余地がありません。だから、徹底的に降参して空っぽになる必要があったのでしょう。素直な人が1ヵ月位で出来るようなことを2年以上かかってしまった感じです。「頑固さは最長距離を行く」の見本です(笑)
「素直」を演じることは出来ないけれど(演じても無駄だけど)、これからは自分の頑固さにより意識的になり、気づいたら捨てていこうと思っています。幼な子のような素直な気持ちになってみたいな~って素直に(笑)思っています。