スリランカの悪魔祓いと言えば、上田紀行さんですね。
この方の講演会を聞いたことがあるのですが、本当に面白い!
今では当たり前に使われている「癒し」という言葉を
世に知らしめたのも上田さんだとか!
それまでは「癒す」という動詞はあったけれども、
「癒し」という名詞はなかったのです・・・
さて、「スリランカの悪魔祓い」とはなんぞや?
スリランカの農村部では、その名の通りの悪魔祓いが
今でも行われているということなのです。
本当の悪魔というより、病気になった人を指しています。
日本でもお馴染みのうつ病らしきものや、不登校、もちろんの肉体の病気もです。
これは悪魔の仕業ではないかと疑われると、家族は呪術師やシャーマンを呼ぶのです。
その悪魔祓いの儀式は、エクソシストのようなおどろおどろしたものではなく、
活気にあふれた一大パフォーマンスだそうです。
患者の家の庭で徹夜で行われる儀式には、近所や親せき100人以上の人が
集まってきて一部始終を見守ります。
激しい太鼓のリズムに乗って、華麗な装束をまとったシャーマンは歌い踊り、
悪魔を呼び出します。
患者によっては、悪魔が乗り移り、シャーマンはその悪魔と対話をして、
患者から去ることを約束させます。
そして面白いのが夜明け頃になって行われるお笑い漫才大会だそうです。
滑稽な仮面をかぶった悪魔と太鼓たたきとの間で、ダジャレや下ネタ、替え歌などの
ギャグの連発に思わず、患者も笑い出します。
大勢の人々がお腹の底から笑い転げているうちに夜が明け、不思議なことに
昨夜まで不調だった患者に活気が戻り、治っているのです。
スリランカでは、どんな人が悪魔憑きになるか(病気になるか)というと、
「孤独な人」だといいます。
孤独な人が悪魔に魅入られてしまうのです。
人は温かい輪の中にいれば悪魔は来ないけれど、そこから外れて孤独になってしまったら
悪魔がとりついてしまうのです。
だから、もう一度その孤独な人を楽しく温かい輪の中に入れてあげるのです。
上田さんの話を聞いた時、悪魔祓いは単なる迷信ではないなと感じました。
実際、日本でも「孤独な人」は多いと思います。
会社や仕事でのストレスを抱え、しかし心から相談できる人もなく・・・
親と上手くいかない、子と上手くいかない・・・
夫や、妻とコミュニケーションが取れていない・・・
誰かといても孤独な人は案外多いのではないでしょうか?
そして、ストレスを感じ、病気になってしまう人もいる・・・
スリランカの農村では、村をあげての一大パフォーマンスで癒します。
日本ではどうでしょうか?
家族や、夫婦や、友達が、本当のあったかさでつながり合うことが出来たら、
病気もきっと良い方向にいくと感じるのは私だけでしょうか?