私の大好きなスティーブン・レヴァインの「癒された死」の第1章です。
ヒーリングとは、一般的には「癒し」のことですが、
単に病を治したり、健康になったりするだけのものではなさそうです。
印象的なロビンという女性の話が載っています。
ロビンは、3年近くも癌を治すことだけに集中してきて、
様々な治療法を試みていましたが、再発してしまいました。
そして彼女はこう言ったのです。
「もう治ろうとするのはやめて、自分を死なせてやるべきなのかしら?」
スティーブンは答えに詰まります。
そして、、、彼のハートは深い部分から答えをささやきました。
「ほんとうに問題なのは、「どこにヒーリングを見いだすか」だ。」
また、「完了」とは何かという自らへの問いかけにもなりました。
ロビンは、著名なヒーラーたちにパワフルなヒーリングをやってもらったのですが
(そのエネルギーは、周りの人々にもはっきり感じとれたという)
翌週には、さらに30個の腫瘍が出来たことを発見するのです。
ロビンは言います。
「ヒーリングが効いたのだと思います。生まれてはじめてというくらい、
心が大きくひらいているのを感じるし、この病気もたぶん仕上げの時期に
きたのでしょう。」
結局、ロビンは肉体という現象では死にましたが、
心と魂は大きく広がり癒されたのです。
人間は、「不死身」ではありません。
それぞれの人の「本当に」望むことが出来れば、万々歳なのでしょう。
肉体は死んでも、心は癒されたのです。
何が何でも癌を治すという頑なな不安と恐怖に満ちた心を手放し、
すべてを受け入れている自分を発見したのです。
ひょっとしたら、彼女にとっては治ることよりも
「自分を受け入れる」ことのほうが難しいことだったのかもしれません。
スティーブンはこう書いています。
「・・・それは人生をより深く見、より深く参加していくことだった。
ある者は自分の内側ふかくさぐり、愛をこめたやさしさ、いつくしみといった
資質を育てる作業に取り組むーちょうど、道にまよった子供が林の小道を行く
ように。そしてついには、「いま」という瞬間そのもの、生そのものに直接
触れたという至上の喜びを味わう。またべつの者にとってはこの道は苦闘だが、
それでも、古い怖れや執着をはっきりと手放したことに満足できる。それは
骨おって開拓した、まったく新しい生である。」
いやいや、そうは言っても・・
そう簡単に「自らの死」を受け入れるわけにはいきません。
その話は、次回に・・・