負けることが必要だった

物心ついてから勝つことばかり考えてきた。
プラスの出来事しか意味がないと思っていた。

しかし・・・
宇宙が私に用意してくれたのは
ひどい体験だった。

私は力の限り抵抗した。
どうしても負けることは嫌だった。

しかし、私は負けた。
完敗だった。
私は完全に諦めなければならなかった。

後になってわかったのは
その学びが私に不可欠だったということ。

私は自分を「力」だと思っていたのだ。
しかし、それは全くの勘違いだった。

「力」とは、
私を通して流れるものだった。
私はただのパイプ、あるいは器だった。

私には「力」は全くなかったのだ。
私に出来ることは
力がたっぷり流れるように汚れを取り去り、
パイプをいつも綺麗にしておくことぐらいだ。

私は「力」ではなかった。
その無力さを真に知るために
宇宙は私に負ける体験をさせた。

そして・・・
やっと私は委ねることをやり始めた。
委ねれば委ねるほど平安が現れ始めた。

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この記事を書いた人

福井てるこ

20代はプロの舞台俳優として全国を回り、33歳から鍼灸の道に入る。