こんにちは、てるこの部屋です。
ドラマの語源は古代ギリシャ語で「行動する」という意味だそうです。知らなかったなぁ。私は若い頃、プロの役者でした。旅から旅へと公演を続ける劇団の一員でした。高校を卒業後、安定した職業に見向きもせず劇団の養成所に入った私はまさしく行動的でドラマティックな人だったのかもしれませんね。
さて、このドラマと言う言葉、セッションでよく使います。私のセッションやカウンセリングは傾聴スタイルではありません。その方その方に合わせていきます。私が言葉の鍼と呼んでいる独自の問いかけをしたり、事実と解釈を分けていきます。この解釈のことを私はドラマやストーリーと呼んでいるのです。
ドラマとは事実ではなく創作ですが、辛いなぁと感じる時ほとんどの方が事実と解釈をごっちゃ混ぜにしています。なので、丁寧に分けていく必要があるのです。これで、すぐにものの見方が変わったり、事態が変わらなくても、頭の整理がつくので心が楽になります(もちろん、傾聴カウンセリングでも楽になるんですよ)。
昔若い頃、友人からこんな相談を受けたことがあります。バイト先で自分だけ仲間外れにされていじめられていると言うのです。それもどのバイト先でもいじめられると言うのです。(う~ん、それは自分がそう思っているだけじゃないのかな?)と答えるとものすごく不満げな顔。(いけない!ここは同意するところだった!(笑)
今なら、本人が望むならば対処法があります。気持ちではなく事実のみを聞き続けるのです。それはいつ?どこで?誰が?なんと言った?これを繰り返します。「すご~く意地悪な顔をしていた」とか「他の人には優しいのに」なんて言葉が出てきたら、それは解釈になりますね。
それでも、自分がいじめられているというドラマやストーリーを手放さない人がいます。まるで(かわいそうな私)という物語を死守しているかのようです。こちらが同意するまで話し続ける人もいますね。一体何を証明したいのでしょうか?どうしてそんなに「辛いー、辛いー」と言いながら、ドラマを手放さないのでしょうか?
それは好きだから!これに尽きます。ドラマを愛しているんです。別の言葉で言えば、被害者役にメリットがあるからです。それは被害者をやっていれば、加害者にならないで済むということなのです。ということは・・ですよ。無意識の奥底では自分は加害者だと思い込んでいるのかもしれません。その罪悪感を感じないようにしているのかもしれません。
いずれにしても、自分の無意識の部分に向き合うのは労力がいりますし、何よりタイミングが重要です。まだまだ(かわいそうな私)という夢を見続けたい人には・・・見続けてもらうしかありません。夢は自分で覚めるしかないからです。ある時、あれ?これって、ひょっとしたら?・・・と自分の認識・知覚に小さな変化があった時、そういう時にはぜひてるこの部屋にいらしていただきたいと思います。それがベストタイミングです。
ところで先日「どうやら私は劇薬らしい」と自分のことをフェイスブックに投稿したのですが、知人からこんなコメントを頂戴しました。「河合隼雄先生が、嘘は常備薬、真実は劇薬と書かれていました」まさに!みんな優しい嘘が欲しいのですね。何とか一日一日をしのいでいかなければならない時、嘘やごまかしも必要です。でも、これまでにも十分経験してきたでしょうが、それではちっとも変わらないんです、嘘だから!
本当に変えていくのは真実のみです。しかし・・・それは劇薬です(笑)私自身は劇薬を飲まざるを得なくなって飲んだ人間ですが、飲んで良かったんですよ。今本当に穏やかな日々を過ごしていますから。あなたもいつか準備が出来たら飲んでください。たぶんですが、人はいつかは真実を知るようになっているのだと思います。今は、真実はただただシンプルで優しいとだけお伝えしておきますね。