問題を起こす人は、問題を知らせてくれる人

潜在意識からだを調整して、楽で自然な自分になる!福井てるこです。

 

4月の初めに妙高高原に泊りがけで行ってきました。ファミリーコンステレーション(家族の座)ペインティングのワークショップが開催されたのです。ファミリーコンステレーションとは、カトリックの神父でもあったドイツ人心理療法家バート・ヘリンガー氏が開発したグループで行うセラピーの一種で、バージニア・サティア(家族療法の創始者)が作った家族療法の一つです。ファミリーコンステレーションでは、個人の問題をその人だけの問題として捉えず、「家族」という1つのシステムに起こった問題と捉えます。問題を抱えた個人を通して、その「家族というシステム全体」に働きかけていくのが、ファミリーコンステレーションの特徴です。家族の中で問題を抱えた個人、問題行動をとる個人は、弱い人やダメな人とみなされがちですが、家族の中にある解消されるべき問題の存在を表現して知らせるキーパーソンと捉えます。

そのやり方がこれまた独特で、20~30人で丸くなって座り、を作るのです。これをファシリテーターのドイツ人スバギートはエネルギーフィールドと呼んでいました。(スピリチュアルだったら何かの儀式をするのかもしれませんが、ファシリテーターがあっさりエネルギーフィールドと設定しただけでした。このへんのところはいいですね。)自分の問題を扱ってもらいたい人が前に出てきて少し話してもらいます。ファシリテーターがいくつか質問し、感じます。そして、その問題に必要な家族の役を何人か場の中に来てもらいます。お母さん役、お父さん役、お姉さん役・・・そうして、直感的に配置されるのでこの感じが星座みたいでコンステレーションと呼ばれているようです。その役を割り当てられた人は代理人と呼ばれます。詳しい事情を説明されるわけではありません。しかし、身体が勝手に動き出したり、その場から遠くに逃げ出そうとしたり、強く激しい感情が表出したりするのです。これが本当に不思議で不思議で、私も以前に一回体験したことがあったのですが、代理人をやれなかったのです。一体どんな感じなのかぜひ!と思っていましたが、今回も代理人体験はありませんでした。残念。

しかし、今回は代理人ではなく、私自身の座を開いてもらいました(自分の問題をみんなに扱ってもらうことを「座を開く」というようです)。ファシリテーターのスバギートに特に何も話していないのに、私が自分のコントロールを手放していないというようなことを言われました。許可をもらおうとしているとか、周りを気にしているというようなことを言われました。(そんなの、OSHOの弟子たちがほとんどのすっかり出来上がったようなグループにやってきて、私がなじまないのは当然だろーよと思いましたが)

 

 

私は、スバギートが言った「離れるためにはしっかり受け取らなければならない」という言葉が引っ掛かっていました。彼は私を依存だと言いました。夫の面倒を見るのに疲れたと一言私が言ったからなんですが、今現在物理的に夫から離れるのは無理があります。それを依存していると言われて(当たってないなぁ、何にも知らないくせに、それはあなたのものの見方だよ)という(どうでもいいわ~)という気持ちと、どこが依存なのかもう少し突っ込んで聞いてみたいという気持ちが半々でした。

私は夫との関係が、私の亡くなった母親との関係の未完了にあるような気がしてきました。私の母は長らく統合失調症でほとんど家事も出来ず、暗い部屋で寝ているだけの生活でした。たまに起きてきても意味不明のわからないことを言うので、子どもながらに本当に参ったなぁと感じていました。正直言いますと私は母を見下していたのです。その時の未完了が、高次脳機能障害になりまともなコミュニケーションが取れなくなった夫との関係に繋がっているような気がしたのです。私は母親がとっくに亡くなっているので、その問題はなくなったと思っていました。しかし、母親から受け取っていないものがあるならば、それを受け取り完了させたいと思いました。そして実は、母の弟も統合失調症でした。この叔父はかなり暴力的で、隣近所の家の窓ガラスに石を投げつけて割っていました。私が小学6年の頃だったか措置入院し、死ぬまで精神病院で過ごすこととなりました。

このことをスバギートに話すと、彼はじっと何か感じているようでした。「君は、自分の圧倒的な感情に押しつぶされそうで、だから自分を抑えているんだ。」そうかもしれません。私の中には、蓋が外れてしまったら口に出すのも恐ろしいほどの暴力的な自分がずっといるような気がしていました。その感覚は私自身を守るためというより、周囲の人のために抑えていると言ったほうが近いかもしれません。私は自分のエネルギーの強さとそれを出してしまったらとんでもないことをしてしまうだろうという恐怖の存在に気づきました。私の中にも確かに狂気があったのです。

スバギートは言いました。「これは戦争が関わっている。一つの家から二人も統合失調症患者が出るなんて、戦争が関わっているんだ。」えええええ、突然そんなこと言われても!予想外の展開になってきました。確かに祖父は戦争に行っていますが、そんな大昔のことを聞かれてもわかりません。しかし、スバギートは祖父や祖母、母役の代理人たちを選び、なんと死体!役の代理人たちを3人横たわらせました。私が度肝を抜かれたのは、殺されてしまった人たちの家族の役である中国人役の代理人です。その方がプロの俳優も真っ青の表現をしたことです(私は元新劇の舞台役者でしたから、本当にびっくりしました)。その驚き、悲しみ、絶望、、、3人の遺体を見た途端に瞬間的にスイッチが入ったように全身で大絶叫したのです。まるで、、、憑依です。憑依とかいいようがありません。

私はスバギートの隣に座り、その不思議な光景をぽか~んと眺めていました。スバギートは言います。「家族の中でとても愛情深い人が、悲しみや怒りや絶望を自分に一身に集めて統合失調症などになるんだ。お母さんや叔父さんは愛情深い人なんだ。」私はその展開についていけませんでした。私の今の状態が、祖父の代で起こった戦争による残虐さ、暴力、悲しみ、怒り、絶望だなんて!飛躍し過ぎています。スバギートはこう言いました。「あなたの母親に謝ってください。(あなたを見下してごめんなさい)と。」私にはなかなかその言葉が言えませんでした。ここで謝ってももう遅いという気持ちが正直なところでした。決して決して私は許されることはないだろうという気持ちでした。だから、ごめんなさいとなかなか口に出すことが出来ませんでした。

座を開いてもらってから私の何がどう変わったのか、まだわかりません。ただ知識としては、個人の問題と思われているものは実はその家族や家系にまつわる未完了や忘れ去られた人たちの問題だったり、解放されていないエネルギーが確かにあるのだということはしっかりと理解しました。代理人の方々が座が終わって自分の席に戻る時、手で身体をパッパッと祓っていました。やはり、自分ではない人たちのエネルギーをかぶるような仕組みになっているのだなと思いました。こういう手法は催眠でも人格交代ということでよく使いますし、ゲシュタルトセラピーではエンプティチェアと言います。また、NLPではファミリーパノラマというやり方で、家族の位置関係を外在化させて、部屋中を使い写真やポストイットを貼ったりして、その心理的な位置関係を変えていく手法を私も行っています。空間を使ったセラピーは、あまり頭(思考)を使わないのがいいですね。カウンセリングでは会話、言葉でやっていきますが、それだと抵抗が起きやすいのも事実です。空間セラピーと言いますか、家族セラピー、こういったセラピーを病気の方にも使っていくつもりです。本質的な部分に辿り着くのが早いのではないかと思っています。

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この記事を書いた人

福井てるこ

20代はプロの舞台俳優として全国を回り、33歳から鍼灸の道に入る。