死にたくないって思うのはいけないの?

原発不明癌の腹膜播種の方が、催眠療法にみえました。
午前中は、東洋医学の治療院で手当てを受けてきたそうです。

その治療師の方に、「死にたくない、治りたいというのは執着だ。」
というようなことを言われたというのです。


私はその場にいないので、正確なニュアンスがわかりませんが、
そんな無茶な!と驚いてしまいました。

自分が死の淵に立ったことのある人が言うならわかります。
完全に執着を手放している人が言えば、患者さんに伝わるかもしれません。

例えばね、、、、「愛」という言葉
様々な経験をして本当にわかっている人が言う「愛」には違和感はないんです。
すっと受け入れられます。
ところが、頭でだけわかっている人の「愛」って言葉は入ってこないんですよね。

その患者さんは、「あなたのは執着だ。」と言われ、ん?と感じたそうです。
「執着持ってて何が悪いんですかね?」って言えば良かったのにとお話したら、
「その時は、気付かなかった。」と言われました。

精神世界では、ボディ(肉体)と魂の関係をこんなふうに例えますね。
人生は、人が自動車を運転しているようなもので、なぜか車ごと自分だと思っている。
でも、自動車は機械だから、いつかポンコツになって、
人は自動車から降りなきゃいけない時が来る。
それまで自動車ごと自分だと思っていたので、降りた自分が本当の自分だと気付いてびっくり。

最初は、なかなか慣れませんね。でも魂は永遠なんです・・・なんてどこかに書いてありました。
そうかもしれません。違うかもしれません。
私は死んだことがないので本当のところは知りません。

私は、ボディ(肉体)がなくなるのはまだまだ受け入れられません。

それを執着と言われたら、堂々と「ハイそうですよ!」と言います。
執着が少なくなったり、なくなったりすれば治療が上手くいきやすくなる可能性は
高まると思います。

宇宙の法則かもしれませんが、すべてはバランスをとろうとするからです。
陰があれば、陽がある。陰が生まれれば、陽も生まれてしまうんです。
振り子を片方だけに持っていこうとしても無理なんです。対極に揺れます。
生に執着すれば(して当たり前ですが)、死への恐怖も生まれてしまうんです。
そして、その恐怖が、免疫力を下げてしまうんです。
血管を締め付け、血流を悪くし、ホルモンの分泌も減ってしまうんです。

その反対に笑ったり、楽しい気分でいると食欲も湧いて、元気になってくるでしょう。
生への執着が薄れければ、死への恐怖も薄いといえるかもしれません。
恐怖がいけないっていう単純な話ではないんです。
恐怖が湧いてきたら、真正面からじっと穴のあくまで見た方がいいです。
逃げ出さないで、一緒にいてやるよってやったほうがいいです。
執着をなくせって言われても無理だから、あえて拡大して感じつくすって手もありです。
「陰極まれば陽になる、陽極まれば陰になる」ってやつですね。
究極まで行ってしまえば、反転しちゃうんです。私なんかこのタイプです。

どちらかというと、恐怖心さえ認めない(顔に出さない)抑圧のほうが
治癒の妨げになるようです。

どんな感情も自浄作用かもしれません。
命の存続のためのものかもしれません。

恐怖も悲しみも怒りも悔しさも淋しさも、全部感じることを自分に許してみませんか。

どんな態度がいいかというと、私的には
「ニュートラル」がいちばんいいかな~と思います。
生きたいとも死にたくないとも、どこの方面にも方向性がないって感じ。
どこへでもいける無限の可能性。

生きても死んでも大丈夫って感じになれたらいいですね。
ニュートラルって、今を生きてる感じです。

ご飯食べてたら、食べてることを「感じる」、悲しかったら悲しんでいる自分をよく「感じる」
感じるのは常に今!なんです。

考えているのは、大体、過去か未来です。
そうすると、後悔や心配、不安、恐怖、絶望になりやすいですよね。

誰でも本当は「今」しか生きてないんですけどね。
当り前すぎて、気付きにくいですね。

ヒプノセラピーの良さは、思考(顕在意識)ではなく感じる(潜在意識)ことです。
癌患者の方が大半なのですが、楽になった、不安が少なくなった、来てよかったと
言われます。患者さんのパワーとヒプノセラピーの効果を実感する今日この頃です。

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この記事を書いた人

福井てるこ

20代はプロの舞台俳優として全国を回り、33歳から鍼灸の道に入る。