むか~しむかし、自己啓発セミナーというものが
流行っていた時期がありましたよね~。
自分というものに全く自信がなかった私は、
こんなんじゃいい治療家になれん!と思って、
そんな危ないセミナーに参加したのでした。
3日間だったと思います。
椅子を向かい合わせて、相手から感じることを伝えたり、
赤黒ゲームなんていうのもやりました。
上げたり下げたり、自我を揺さぶるんですよね。
精神世界の本好きの私にとってどれも知っていることばかりでした。
はん、つまんなーい・・・
ところが、昼休みの時でした。
事務局のある人に何かを問い合わせたら、モーレツに腹が立ってきたんですね。
上から目線というのでもないのだけれど、こちらにすべて合わせて下さいって
感じの言い方でした。
昼食後、セミナーが再開されても怒りは収まらず・・・
私は手を挙げて発表しちゃったんです。
「このセミナー会社のスタッフはなってない!」と。
ガーガー怒りまくりました。
「こんなセミナーなんか、知っていることばかりだ。つまらない。帰る!」
そのうちに、涙がボロボロこぼれてきました。
周りの受講生たちは、キョトンです。
(なんで、福井さん一人で怒って、そして泣いてるの?)
その時、日本一のトレーナーと言われたSさんがこう言いました。
「私には、福井さんがこう言っているように聞こえます。私は愛されているの?と」
号泣でした。自尊心の低かった私は、少しでも大事にされていないと感じると
めちゃくちゃ腹が立ってしまうのです。
そして、そんな態度をとってしまった自分に嫌気がさし、落ち込んでしまうのでした。
しかし、その自己開示が功を奏したのですね~。
自我が、カーンと音を立てて割れました。
守ってきたちっぽけなプライドをさらけ出したら、
スコーンと自由になりました。
完全に自分を100%受け入れていました。
するとどうでしょう。他人のことも100%受け入れていました。
作業着姿のおっちゃんや、理由が分からずセミナーにただ連れてこられたおばさんと
泣きながら抱き合いました。
セミナーの最後に夫が来てくれていました。
びっくりしました。
夫の身体からまばゆいオレンジ色のオーラが輝いているのです。
なぜ、夫と結婚したのかわかりました。
私が小学生の時、「優しい人と結婚したい」と願っていたからだ、
あの願いが通じたのだと、願った瞬間をはっきりと思い出しました。
夫のオーラがまぶしくてまぶしくて・・・夫は驚いた私の顔に驚いていました。
それから、そのハイな状態は3日間は続きました。
花を見ていると、完全に花になっていました。
なぜ花が美しいのか尊いのか、全部一瞬でわかりました。
空を見上げていると、空になりました。
コップを見ても、お箸を見ても、その名前さえわからず
(物の名前が思い出せないのです・・・)
ただただ、その美しさに涙を流し続けていました。
4日目からだんだんと通常に戻ってきましたが、
あれはすごい体験でした。
あれからずいぶん経ちます。
不安も恐怖も何もない、ただただ自分をまるごと受け入れ、
まるごとの自分を思い切り表現するなんて、その後ないですが
自分を100%受け入れる(愛する)と、
不可能も可能になる!私はそう思うのです。