人間のいちばんの恐怖は
「死」ではないかと思います。
死が怖いというのは普通だと
思いますが、異常に怖がる方が
いらっしゃるのです。
ときどき鍼灸治療に伺っている方です。
70代のこの男性は、死ぬ話題ばかりなのです。
毎回毎回治療中の話題が「死」なのです。
(これって、私のせい?)
「死ぬ瞬間ってどうなんだろ?」
「焼かれるって、熱いよね?」
「無になって、永遠に眠り続けるの嫌だね。」
うーん、想像力がたくまし過ぎです。
最初は、からかわれているのかと思ったほどです。
シルバーバーチやダスカロスの話は
いきなり怪し過ぎるので・・・
丹波哲郎の「大霊界」が無難ですね。
「ご自分のお葬式で、集まった方々を見ているそうですよ。」
「肉体という衣服を脱いだ感じだって言いますよ。」
「家族の元に尋ねてきたり、自由みたいですよ。」
「病気だった方は、お楽になれるみたいですよ。」
こんな話をして差し上げると、興味しんしんです。
「それで、それで、お腹はすくの?何か食べるの?お金は?
恋愛はするの?仕事はあるの?家はどうなっているの?」
守りたいものがたくさんあるのかな?
仕事や家庭や子供や孫や・・・
私は、あんまり持っているものがないから
死が怖くなくなってきたのかな?
意外や意外、高齢の方は「死後の世界」を
信じていない方が多いそうです。
江原さんなどのスピブームや前世とかで
「魂は永遠」というように思っている方は
30~50代くらいの方が多いそうですね。
年齢的にも、70~80歳になってくると
「死」を身近に感じ、ご自分の死生観により
あれこれ考えたりし始めるようです。
いずれにしても(無理にまとめようとしたりして!)
私たちが手にしているのは、今この瞬間だけです。
味わえるのは、今この瞬間だけなのです。
過去も未来も、単なる空想・妄想です。
イメージだけなのです。
明日はやってきません。
やってくるのはいつも「今日」だけです。
死後の世界をあれこれ考えても
その時その時があるだけです。
「魂は永遠」という知識があっても、
「死んだら終わり。無になる」という考えでも
どっちでも同じこと。
絶対確実なのは、「今この瞬間」があること。
それをどう生きるか、だけです。