こんな言葉をある70代の女性の方から言われた。
「だんなさんのことは、あきらめるんだな。なるようにしかならないよ。」
なんてひどい人なんだ!とは、思わなかった。
その方は「経験者」だったからだ。
その女性は、25年くらい前、ちょうど今の私と同じ年齢の時に
ご主人が、脳梗塞で倒れた。
後遺症は重く、ご主人はまったく喋れなくなった。
必死で介護したが、5年後に亡くなった。
だから、突然一家の大黒柱が病に倒れることの意味をよくわかっているのだ。
その上で、一見突き放したようなことを言うのだ。
「じたばたしたって、どうにもならない。
誰も助けてくれない。
なんで、私がこんな目に会うんだって
恨んでみても始まらない。
いつか、わかる時がきっと来る。
どう、あがいても
この道は
私が
通らなきゃいけない
道だったんだってね。
その時、何かが変わっているよ。」
この方は、ずっと私を支えてくださった。
3日と開けず、たくさんのおかずを持ってきてくださったり、
ものすごく高額のお見舞いを何回もいただいた。
私が気にすると思って
「どうしても返したいんなら、出世払いでね。」と。