すべては、自分を知るため

大先輩のセラピストの方が、こうおっしゃっていました。
「スピリチュアルが本当かとか、どうとかではなく、
元々人間はスピリチュアルな存在なんです。
いろんな出来事が起こってしまう、いろんな人に出逢ってしまうのは
自分を知るためなんです。」


昔、賢い友人が「私、精神世界って嫌い。」と言っていました。
現実逃避みたいだと言っていたような気がします。
その頃の私は、精神世界の概念は自分を広げてくれるような気がして
だいぶはまっていました。
古神道、初期仏教、瞑想、内観、気功、ドリームワーク、、、。
自分を愛せるようになりたい、人生の意味を知りたい、、、、。
友人からは軽蔑されつつも、夢中で探求していました。
夫の癌が見つかって、手術しなければ3カ月でホスピス、手術しても完治なしと
言われて絶望の淵に立った時、私の中で本当の旅が始まりしました。
安全地帯で精神世界ごっこをしていたのをやめました。
「生きること」「死ぬこと」と本当に格闘し始めました。
今まで学んできたことのほとんどは役に立たないように思えました。
人生でこんなに苦しいことに出逢ったのは初めてでした。
今も葛藤は続いています。
先に逝ってしまうかもしれない夫に対して、怒りが湧きます。
最初は、その怒りにすら気付くことができませんでした。
今は、怒りの下に「恐怖」が隠れていることがわかります。
その下には、「悲しみ」があります。
玉ねぎの皮のように、感情はいくつかの層になっています。
誰かに指摘されても、受け入れることは難しいかもしれませんが、
自分自身で気付くと、あっという間に調和が生まれます。
人生に起こるポジティブなこと、ネガティブなこと、快・不快、
すべての体験は、「自分を知るため」なんだと思います。
そして、今まで光を当てていなかった部分に光を当て、
自分が少しずつ広がっていくと、生きやすくなるような気がします。
人間は不死身ではありません。
死なない、ということは出来ません。
では、何のために生きているのか、、、それを自分で探していくことが
大切なのではないでしょうか?

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この記事を書いた人

福井てるこ

20代はプロの舞台俳優として全国を回り、33歳から鍼灸の道に入る。