すべてがうまくいかないとき、、、そんな経験がありましたか?
それは、ひょっとして「今」でしょうか?
それを「やったね!チャンスだよ!」と祝福してくれるような本があります。
朝目覚めると、すぐさま苦悩が全身を襲います。
布団から出るのも嫌!
あー、私の人生は終わったも同然だ、、、。
そんなことは、実は誰にでも起こりうることです。
自分一人の力ではどうにもならない、そんな日がやってきます。
ペマ・チュードゥンの「すべてがうまくいかないとき」は、
チベット密教からのアドバイスの本です。
彼女は言います。
「希望がないときこそ、目覚めのチャンス」だと。
「何もかもがうまくいかず、お先真っ暗で崖っぷちに立たされたとき、私たちは試されます。
その崖っぷちに、何もせずに立ちつづけることができるかどうかが試されます。
精神の旅とは、天国への道でも、あらゆる願いがかなう場所への到達でもありません。
それどころか、そういったものの見方が、私たちを惨めな場所にとどめつづけます。
永遠の喜びを見出すことができる、苦しみは避けられる、という考え方を、
仏教ではサムサーラ(輪廻世界)と呼びます。サムサーラとはとどまることなく
回りつづける望みのない輪で、苦しみをもたらす原因を作り出します。
仏陀は、四つの聖なる教え(四聖諦)で、ものごとが永遠に続くーけっして滅びず、安寧を求める
心を満たすことができるーと信じているかぎり、人間にとって苦しみは避けがたいと言っています。
この考え方からすれば、足元を取り払われ、着地する場所も見つからないときにこそ、
本当に見えてくるものがあるということです。私たちはその苦境を、自分を目覚めさせるためにも
眠らせるためにも使うことができます。今このときー立つべき場所を失った瞬間ーは、助けが必要な
人々を思いやり、自分の美質を発見する種が蒔かれるときなのです。」
「人生は素晴らしい師であり、よき友です。ものごとは常に変化します。
ただそれに気づきさえすればいいだけです。自分の思い通りになることなど、何ひとつありません。
バランスを欠いた状態や宙ぶらりんな状態は、願ってもないチャンスです。
なぜならそんな状況にいるときは、何かにとらわれることもなく、ただ無心に心や考えを解き放つ
ことができるからです。それは優しくて、攻撃することを知らない、オープンな状態です。」
「体が震えるほどの激情と共にいる。傷ついた心、ひきつる胃、絶望、復讐を誓う心と共にいる
ーそれが覚醒への道です。見通しのなさと共にいて、パニックに陥ることもなく、その混乱の
真っ只中でリラックスするコツを知るーこれが精神の道です。その真っ只中で自分を知り、
穏やかに、思いやりを持ってそのままの自分を受けとめるーこれが勇者の歩む道です。
私たちはこれまでさんざん出会ってきた自分にまた出会います。
そして、気に入ろうと入るまいと、怒りの中で、苦々しさの中で、私の方が絶対に正しいという
思いの中で、自分自身を知っていきます。また、ほっとするような感覚やひらめきの中でも、
自分を知ります。」