それは、2012年8月28日のことだった。往診先に夫から携帯にメールが入った。こんな内容だった。
「もう荻窪ですか?今、終わったところ。外傷性は問題なかった。ただ右脳幹部近くに3cm大の良性腫瘍(髄膜腫)が偶発的に見つかった。電話するね。」
夫はつい5日前に白馬鑓に登ってつまずき、岩に頭をぶつけていた。
慢性硬膜下血腫になっていたらたいへんだから、近所で懇意にしている脳神経外科でMRIを撮って見てもらってくれと頼んだら、妙に素直に受け入れてくれた。
いつもなら、私の言うことなんか聞かない夫だが、自分でも何か心配だったのだろう。
不安は的中!その結果がたいへんだと言うのだ。
心臓がバクバクする!
脳幹部?髄膜腫?3cm?え?え?え?、、、、何が何だかわからない。
夫のメールの題名のように、何か「たいへんなこと」が起きている、、、。
それだけは確かだった。