ある方が言っていました。
「癌は、下りのエスカレーターを
重い荷物を持って駆け上がるようだ」と。
本当にたいへんなことです。
癌の勢いに抗っていくのですから。
それには、気力も体力も必要でしょう。
下へ下へと、容赦なく動いていくエスカレーター。
ただでさえ、駆け上がるのは大変です。
しかも、重い荷物を両手に持っています。
この荷物を少しでも減らせるといいのでしょう。
荷物とは、体力の低下のことや、
あれこれの心配、治療法をめぐる家族との不一致とか。
そして、自分のちょっと先を行き、
引っ張ってくれる人がいたらいいですね。
それから、駆け上がるのを押してくれる家族の力。
下りのエスカレーターを「停止」ボタンで
止めることも可能かもしれません。
それは、自分の心を静かに見つめる「時間」かも。
決して、焦らないようにしましょう。
エスカレーターがいちばん下に着きそうに
なっても、ちょっとでもちょっとでも
荷物を放り出し、身軽にして、
上に上に上がりましょう。
かなり不利な状況で駆け上がっているなら、
誰かの力を借りて、客観的に見てもらいましょう。
いらない重い荷物を持ちすぎているのかもしれません。