「自然治癒力」、このわかったようでわからない言葉。
私は東洋医学のプロ、鍼灸師です。
それでも、「実感」するまで何年もかかりました。
ま、要するに信じていなかったんですね。
鍼灸師は、自然治癒力に働きかけるだけです、と言いつつ
自分が治療しているという意識がずっと抜けなかったのです。
(今は、おまかせしていますよ!)
西洋医学の言葉で言えば、「創傷治癒」です。
病理学で習いました。
傷はどうして治るのか?
自然治癒力がなかったら、いつまで経っても
くっつきません!ぱっくり開いたままです!
この人にはあって、あの人にはない、なんて
いうものではないのです。
誰の体にもあるのです。
(あるけど、どうして発揮される人とされない人がいるのか?)
医聖ヒポクラテスは言いました。
「病気とは、失われたバランスを、
体自身が取り戻そうとしている状態である。
医者の役目とは、自然に治癒しようとする
働きを助けることである。
治癒的な性質を妨げるものを取り除くことに
よって、結果として体自身が健康をとり戻す。」
で、自然治癒力をアップさせたいですよね?
それには、それを妨げているものを
「取り除く」ことから始めましょう。
私のイメージでは、
不安と自然治癒力はシーソーみたいな感じです。
不安が80%もあれば、自然治癒力が20%しか発揮されない。
不安が50%になれば、自然治癒力は50%発揮される。
不安が20%になれば、自然治癒力は80%発揮されるんです!
こんな感じです。反比例なんです。
だから、どんなに最先端の治療を行っても、
有機100%の食事療法をしても、
不安を減らさなければ、大事な自然治癒力が
発揮されないので一進一退、あるいは一時的に良くなるだけ。
実にもったいないことなのです。
「喜びから人生を生きる」のアニータさんも言っています。
『私が治ったのは、有害な思考が完全に消えてなくなったからです。』
この有害な思考とは、不安・心配・恐怖などでしょう。
だから、自然治癒力が100%全開で流れ込んで完治したのです。
不安や恐怖がいけないと言っているのではありません。
それらは、肉体を維持していく上の防衛本能でもあります。
無駄な感覚感情などありません。
必要だから、存在するのです。
しかし、自然治癒力とはどうしても拮抗してしまうのです。
自分に嘘をつくのはいけません。
感情に蓋をすると、余計苦しくなります。
認めてみるのもいいでしょう。
その不安の中に浸りきってみるのも一つの方法です。
漠然とした「不安」の中身を感じ切ってみるのです。
意外と、別の問題が浮上してきたりします。
目をそらすのも、一つの方法です。
好きな音楽を聴く、映画を観る、瞑想・・・
気の合う友人とのおしゃべり・・・
不安を感じる時間をできるだけ少なくする工夫をするのです。
本当に向きあうなら、「自分」です。
何のために生きているのか、
自分がゆずれないものは何か、
信頼できる人の助けを借りて、
自分と向きあうのは効果的です。
心の深いところから、安心が生まれます。
自然治癒力を100%怒涛のごとく流れ込ませると
アニータさんのような末期がんでも、
あっと言う間に完治してしまうのですから、
試してみないのは実にもったいないことですね。