愚痴を聞いてもらってもモヤモヤは消えない

東京・西荻窪の鍼灸院、てるこの部屋です。

「ねぇ、ちょっと聞いてよ~」と言ってくる人がいます。いろいろ吐き出したいことがある時、私もそうやってきました。でも、最近では話すことも聞くことも滅多にありません。友人に愚痴を聞いてもらったからといって何も解決しないことが心底腑に落ちているからなんです。

感情的になっている時(ドラマに巻き込まれてますよ~)と私は言っています。この時、間違いなくジャッジメントまみれなのです。【夫はこうあるべき】【妻はこうあるべき】【夫婦はこうあるべき】【家族はこうあるべき】【友達なら○○してくれるべき】【友達なら一緒に○○するべき】【先生はこうあるべき】【セラピストなら○○してくれるべき】・・・と様々な信じ込みのフィルターを通して世界を見ています。そして、自分の考えがド正論で、間違っているのは相手や周囲だと徹底的に文句を言い続けます。

そんな時がもちろん私にもありました。そんな時「てるちゃんは間違ってないよ~」と友人たちは気を使って言ってくれたものです。(まあ、気が立っている人にはそういうふうにしか言えないですよね。自分にトバッチリが来ちゃいますもんね!)で、一通り愚痴を聞いて貰った後「ああ~、スッキリした!ありがとね~」とは言ってはみたものの本当にスッキリしたことなんか一度もありませんでした。だって、そんなことでは本当のモヤモヤは消えないからです。原因は完全に「自分の中」のことだから、誰かが何か言ってくれることでなんか変わりようがないんです。

思考は猛スピードで自分は間違っているのかいないのか考え続けます。しかし、そうしている自分を客観的に見つめる視点が必要なんです。【私、今不安みたいだ…】【私、今焦っているみたいだ…】【私、今自分は本当は間違っているんじゃないかと思っているみたいだ…】【私、今、何かが爆発しそうだ…】【私、今、何かに気づきそうだけど…まだ気づいていないみたいだ…】おわかりでしょうか?「今、何が起こっているのか?」「この瞬間に何を感じているのか?」にのみ焦点を当てるのです。自分の思考や感情から少し距離を置いて、第三者の視点で静かに俯瞰してみることが出来れば、出口は近いです。

少し落ち着いてきましたね。友人たちに無理やり(笑)同意させようとしていたのが、自分の状態を客観的に見れるようになってきました。そうなんです。コツは「考えること」ではなくて「見る」ことなんです。見るというのは深い意味はなく、そのまんまの意味です。自分の考えや解釈を加えずに、目に映るものをそのまんま受け取ることです(これは単純だけど簡単ではないんです~)。

で、この先があるんです。ほとんどの方はこの先へは進みません。その先への進み方を誰にも教わっていないからです。おおまかですが、私はこんなふうに考えています。①自分が間違っているのか正しいのか、理屈で答えを出し、解決しようとしている状態→②自分を静かに客観的に見ている状態→そして、③そこにある感情とともにいる状態の3つです。①のパターンが強くなかなか抜け出せない方もいますが、あるきっかけでポーンと③に入ったりします。

座る女性

この感情とともにいる状態は説明するのがとても難しいんです。決して感情に巻き込まれて感情的になっていることではないんです(てるこの部屋にいらして頂ければ、元役者の私がわかりやすく体現します(笑)。①の解決しようとしている状態は、今の状態を忌み嫌い抵抗・反発しているのですが、③は、むしろ今の状態と心中しますよぐらいの覚悟で居心地の悪さとともにいるんです。そのまんま受容するってことなんですが、言葉で言えば簡単に聞こえますが、これが本当に難しい!しかし、それを行うとなぜか…その感情がスーッと消えていき…問題が解決する解決しなくても気にならなくなるんです。

結局、人生に起こる様々な問題(に見えるもの)は、私たちの中に溜まっている様々な怒り悲しみ淋しさ罪悪感無力感無価値感みじめさなどの不要なエネルギーを解放するためじゃないかなぁと思ったりしています。だから、この人生には良いことか、一見悪いことに見える良いことしかない、つまり良いことしかないんだなぁと私は思うんです ( *´艸`)

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この記事を書いた人

福井てるこ

20代はプロの舞台俳優として全国を回り、33歳から鍼灸の道に入る。