手柄もなければ責任もない

自分は価値がない、足りない、いたらない、
そんなふうに心の奥底で感じていたあなたは
その穴をどうにか埋めたかった。

穴を埋めるためには、
たくさんのモノや人間関係や
賞賛や手柄が必要だと信じ込んでいた。

つまりは・・・
今までは得る人生だった。
何かを獲得しなくてはいけないと
奮闘してきた人生だった。

しかし・・・
あなたは疲れ果ててしまった。
どれだけ何かを集めても
自我がこれで満足ということはなかったから。
逆に虚しさに気づいてしまったから。

そして・・・
今度はモノや名誉を集めることから
精神的な世界や修行、探求のほうに移行した。
しかし、そこにも真の満足はなく
逆に激しい渇望が起きてしまった。

「もう、どうしたらいいかわからない。
 神様、お願い助けて・・・」

その叫びが聞き届けられたかどうだったのか
本当のところはわからないが、
あなたはだんだん諦めていった。

まずは、あれほど欲しかった賞賛を諦めた。
もちろん、人から褒められることはあったけど
それに心が動くことが少なくなってきた。
手柄に対して、執着しなくなってきた。

手柄に心動かされなくなると
なぜか責任を感じることがなくなってきた。
以前は(ちゃんと出来ないと責められる
ような重苦しさを背負っていたことに気づいた。

あなたはなんとなくわかってきた。
手柄と責任はセットだった。
自我さんには残念だけど
手柄を求めると責任も付いてくる。
片方だけ得ることは絶対不可能なんだ。


それからだ。
あなたは自分の中の空虚感を埋める活動を
やりたい衝動が現れても
放っておくが出来るようになった。

あなたのやることは以前とは変わらない。
普通に仕事をして普通に暮らしている。
でも、どういうわけか「自分」という感覚が
薄くなってきたのを感じている。

いいとか悪いとか、
それがどれだけ正確か疑わしいものだと
あなたは感じ始めている。
すべてあんまり差がないなと感じ始めている。


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この記事を書いた人

福井てるこ

20代はプロの舞台俳優として全国を回り、33歳から鍼灸の道に入る。