恐怖は愛を求める叫び

東京・西荻窪の治療院、てるこの部屋です。

静かな毎日を送っていますが、
ふと、昔妹と絶交していたことを
思い出しました。

もう25年以上前のことです。
朝早く妹から電話がかかってきて・・・
(父の具合が良くないので、
 帰ってきて家を継いでくれ)というような
一方的な内容でした。
(妹は話が下手なんです・・)

寝耳に水とはまさにこのこと!
まるで私の運命が勝手に決められるような
そんな感覚に陥り早朝の電話ということもあり
激しい怒りが噴出したのです。
「ふざけんな!」とか言ったのかな・・・
とにかくガチャンと電話を切りました。

それから私は妹からの電話に出ることを
やめました。
何年か経ち、当時のことを妹から聞きました。
妹も、私が無視して電話に出ないことで
はらわたが煮えくり返るような
怒りの日々だったそうです。

私たち姉妹は激しい怒りに苛まれていました。
しかし・・・
本当は恐怖でいっぱいだったのです。
妹の話を詳しく聞かず、
自由が奪われるような妄想に染まった私。
そして、私が電話に出なくなったことによって
父の介護を押し付けられると妄想した妹。
私たち姉妹はお互いの出方にビクビクしながら
恐怖で身動きが取れなくなっていたのです。

よく、感情は突き詰めると
恐れの二つだけだと言いますが、
恐れとは愛を求める叫びだというほうが
私にはしっくりきます。

私と妹はお互いに愛を求めて叫んでいました。
私をわかって!
私の話を聞いて!

私を受け入れて!
ずっとずっとお互いに助けてほしいと
叫び続けていたのです。

3年位して私たち姉妹は和解しました。
私は思うんです・・
兄弟げんかレベルから戦争レベルまで
恐怖と恐怖のぶつかり合いではないか、と。
でも本当は・・・
愛を求めているだけなのではないか、と。

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この記事を書いた人

福井てるこ

20代はプロの舞台俳優として全国を回り、33歳から鍼灸の道に入る。