私がつい最近学び始めたばかりの「ダスカロス」の弟子の一人、ハラランボス氏の著書に、
こんなことが書いてありました。
「人生を映画にたとえると、スクリーンに映った映像のようなものです。この映像ができるまでには、
いろいろな人の手がかかわった奥深い製作過程があって、それは、監督、役者、シナリオライターと、
さまざまな分野の製作スタッフの共同の仕事によってつくられるものです。
これは、人生も同じで、私たちに見えているのはスクリーンだけです。そこに映った映像を見て、
人はそれが本当の現実だと思い込んでいます。小さな子どものように、スクリーンだけを見て、
それが本当のことだと思って、泣いたり怖がったりしているのです。
このように、結果である現実だけを見て泣いたり苦しんだりするのではなく、スクリーンの裏側に
目を向ける必要があります。そして、その映像がどのようにつくられたかを理解すること。
それができると、私たちはだんだん恐怖から離れていくことができます。
人間という存在にとって、恐怖は非常に根強いもので、そこから抜けるのは本当に難しいことです。
しかし、正しく考えることによって、私たちはそこから離れることができます。どのように考える
かというと、「このシナリオは、どのようにできているのか?」「誰が、何のために書いたのか?」。
それを勉強することです。
そのためにいちばん大事なことは、まずよく観察することです。自分の人生に起こるいろいろな
出来事に対する自分の態度・反応を、内省しながら観察していきます。「自分は今どうして怒って
いるのか?」「なぜ心配しているのか?」「何が不満なのか?」。このような観察を続けていくと、
今まで見えなかったことが見えるようになります。」
ハラランボス氏の著書「私は何のために生きているのか?」は、じっくり読みたい本です。
最後まで読めば、私の中の数々の疑問が払拭され、すべてが統合されるような予感があります。
幼児向けのテレビ番組で、例えば「赤ずきん」をやっているとします。
子供たちは、食い入るように見ています。
怖ーいオオカミがおばあさんに化けているのを、子供たちは必死で赤ずきんに教えようとします。
「そいつは悪いオオカミだよ~、食べられちゃうよ!」
顔を真っ赤にして、叫び続けます。
子供にとっては、テレビの「赤ずきん」は現実なのです。恐怖、不安、心配でいっぱいです。
大人の私たちにとっては、ただの「人形劇」「作りごと」です。安心しています。
癌という病は、確かに現実です。
「私は、運悪く癌になってしまった、おしまいだ、、、。」
しかし、現実の一つの側面しか見ていないとしたらどうでしょうか?
他の側面を見てみる必要があるのではないでしょうか?
私が、癌に対して様々な見方を提案する理由は、どんな末期癌でも治ってしまう方がいるからです。
そして、その方々はご自分の「生き方・在り方」を変えていった方々なのです。
また、癌は「自分の人生を良くするために来てくれた愛のメッセンジャー」だったと言われます。
たとえ治らなくとも、充実した残りの人生を送ることは大切なことではないでしょうか?
ハラランボス氏の言わんとしていることは、とても奥深いことです。
起こった現象に一喜一憂することなく、その裏側の本当の意味を探りなさい。
そこが、大元の原因なのです。
それには、観察だと言われます。
これは、ヴィパッサナー瞑想の真髄でもあります。
また、催眠療法で潜在意識に問いかけるという方法も役に立つのではないでしょうか?
現象面に対しての、不安・恐怖に押しつぶされないで、智慧を使うのです。
なぜ、癌が出来たのか?癌は私にどうしてほしいのか?
癌は「結果」なのです。そこに至るシナリオはどうなっているのでしょうか?
シナリオの「意図」はなんでしょうか?
あなたの人生脚本の意図、つまり奥深くにある「観念・信念」を探っていきましょう。
スクリーンに映し出された映像ではなく、本当の現実を目を見開いて見ていきましょう。
それがいちばんの近道であり、あなたの人生の目的かもしれません。