ある鍼灸師から聞いた話

東京・杉並・西荻窪の施術室、てるこの部屋です。

これは10年以上も前の話です。
私はある鍼灸院に治療を受けに行きました。その鍼灸院の創始者のU先生はちょっと変わった経歴をお持ちです。若い頃はなんと演劇をやっておられ、バリバリの活動家でもあったようです。このU先生のご兄弟の方が私が若い時に在籍していた劇団の代表だったのです(私も若い時は新劇の役者だったのですよ)。そんなご縁もありまして…U先生のホリスティックな施術理論には興味を持っていました。

しかし、やっと伺えたその時は既にそのU先生はお亡くなりになられていて、奥様とお弟子さんとでやっておられました。その施術はとても気持ちの良いものでした。でも私がその日いちばん印象に残ったのは奥様のお話です。羅漢果で甘みを付けたココアを入れてくださり、奥様は話し始めました…。

「亡くなった主人(U先生)は唯物主義者でした。ある時、治療室のスタッフたちに(死後の世界を信じているヤツはいるか?)と尋ねたんです。その場の全員が(死後の世界はある)と答えましたが、主人だけは(そんなものはあるか!)と一蹴したのです。主人は(死んだら終わり、死後の世界はない)という考えでした。」

「二年前に主人は亡くなりましたが、亡くなって2週間ほど経った頃のことです。明け方、私は主人の声を聞いたのです。「暗い~」と言ったような気がしたのです。気のせいかと思い、また私は寝ました。

ところが、その日九州から主人の友人がわざわざ訪ねて来てくださったのです。そしてその方はこう仰ったのです。(今日は奥さんのために来たんだ。今Uは暗いところにいる。だから成仏させるために奥さんにお願いするために来たんだよ。)

びっくりしました。日頃から信心深いその友人はなんとあの世での主人の様子がわかったと仰るのです。それを知らせにわざわざ九州から上京してくださったのです。」

これは私の推測ですが、唯物主義者であったU先生は目には見えないものを全く信じておられなかったのです(そういう方が「氣」や「エネルギー」を扱う鍼灸師になったというのがまことに不思議ではありますが…)。その信じていない度合いがひじょうに強かったのだと思います。普通の人なら死後の世界はないと思っていても確信がないというか、ゆる~いものだと思います。しかしU先生はバリバリのインテリです。完全に無いというふうに「決めて」おられたのだと思います。「死んだら無」だったわけですから、真っ暗な世界を自分で創り上げてしまったのです!ところが肉体は無くなりましたが、意識はある!自分がある・いることは感じられたのです。

私思うに死後の世界は物質的なものはないのです。しかし、その代わりに「思い・想念」の力がこの世以上に強く働くと思うのです。なので、U先生はご自分の考えに則り、真っ暗闇としての「無」を創作されたのですが、ご自分の意識だけは消えようがない中途半端な「無」です。なので、真っ暗闇の中で「暗い~暗い~」と呻き続ける苦しい状態におられたのです。

私は、地獄と言われているものは人の想念が創り出す世界ではないかと思っています。後悔・憎しみ・怒り・恨み・妬み・不安・心配・恐怖・罪悪感・被害者意識…こういった思いを解放せずに亡くなるとそれに見合った世界に行く(自分が映し出す)のではないかと考えています。なので、出来るだけ生きているうちに自分の出している周波数に意識的になり、心地良いものにしていったほうがいいんです。この世はその訓練に最適な場所だと思いませんか?

また奥様のお話に戻ります。
「その友人の方だけではありません。患者さんが主人の様子を伝えてくださったのです。うちの患者さん同士は横の繋がりはないのですが、皆さん同じことを仰るのです。(今、U先生はこうしていて、奥様にはこうしてほしいと訴えておられますよ)と。夫は唯物論者だったし、私も死後の世界のことはわかりませんでしたが、今ははっきりとわかります。

この世は3次元ですが、4次元、5次元、6次元とかたくさんの次元があるのだと思います。私たちはこの世だけが本当で、他はないと思っていますが、他の世界もあるのです。この人生だけが全てだと思っているから悩み苦しみ執着しますが、この人生なんてあっち(あの世、死後の世界)に比べたらうんと短いものなのです。だから、つまらないことにくよくよしないで今日という日を精一杯生きることです。」

私はU先生の奥様のこの貴重なお話を聞くために治療に伺ったんだなと思いました。(U先生、奥様、ありがとうございました)私などU先生の足元にも及ばない中途半端な施術者ですが、生きている限り自分のベストを尽くすぞ!と誓ったのは言うまでもありません。

お気軽にお問い合わせください。

当日申込みは空きがあれば受け付けます。
その場合は必ず電話連絡をお願いします。

TEL:090ー4435ー9483

この記事を書いた人

福井てるこ

20代はプロの舞台俳優として全国を回り、33歳から鍼灸の道に入る。